inumeshi20’s diary

楽しみ第一の自己啓発読者

貴重な失敗と克服

この失敗は貴重

 

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(成功者の告白 神田昌典 著 講談社@文庫)

 成功よりも価値ある間違い

 

仕事場で起こることが家庭内で

しかも限られた個人ではなく、日常を送る者なら

誰もが同じ失敗の洗礼を受けるのだ

 

それは構造的なもの、

だれにでも起こるもので

個人差は多少あれ

大体同じものである。

 

ということは過去に起こった例から

素早く学べて、その教訓を活かせるのだ。

 

この本は最速で成り上がりましょう

というものではない。

(もちろん、事業を上手く、速く、

やっていく方法も記されているが)

 

応用できる失敗克服集

それ以上に強調されているのは

起業と育児を同時に手がける者に

事業の発展時に

家庭内で起こりうる失敗を概念化

速く、上手に乗り越えようとする本である。

 

しかも、その失敗を乗り越える方法が

とても簡単でラクにできるシロモノ。

 

例えば、会社内でメンバー同士の衝突時には

柔らかいボールを握りながら

自分の日常に起こった小さなことを

皆の前で離す。

 

メンバー一人一人に

個人を承認し、感謝している気持ちを伝える

といった作業よりは

ゲームに近い感覚で始められる。

 

ものを言うのは母親的愛情

面白い種明かしとして、

会社の組織、チームを統制する時、

父親的役割母親的役割

動かすかというもの。

 

まずは母親的、自己承認原理で

まとめようとする理屈が妙に納得。

 

勤務評定、指導、注意、などが父親的

どんなことにかくとにかく

その人を認めようとする行為が

母親的なもの

 

子育ては、子供が母親にひっついている時に

厳しいことを求めても育たない。

 

最初は無条件に何かを与え続けて

何をしても怒らない。

(目安としては5,6歳くらいまで)

 

それが終わって、しつけや我慢を

繰り返し教えていくもの。

この時は叱り、怒る必要がある。

 

子育てを体験しない男は

(現在はだいぶ変わってきてはいるが

それでも関心、非協力な者はいるだろう)

与えることをしないで

命令型指導でメンバーを

まとめようとするため、

個人は信用できないまま

振り回されてしまう。

 

与えられることを知った

メンバーは信頼と安心を得ているため

その後の修正型マネージメントも

だいぶ理解して受け入れようとする

 

桃太郎さん、桃太郎さん

会社のチームは無意識に”桃太郎”の

役割を果たすという

主人公のメンターの話は

特に心惹かれた。

 

起業家=桃太郎

実務家=犬

管理者=猿

まとめ役=キジ

 

それぞれ

起業家と管理者

実務家とまとめ役

が反発し合うということも。

 

誰もが避けるべき過ち

悲しい話は会社内で

起こる不和が家庭内で連結しているという話。

 

子供が両親の確執を察して

良い子か悪い子のどちらかを演じる

良いとは病気になることで

悪いとは非行に走ることで

それぞれ、両親を団結させようとする。

 

子供にとって家とはとても大事なもので

家が安全な場所でなかったら

安心して育つ子ことができない

両親の心の動きにとても敏感に反応して

調停しようとする

 

このサインに無関心でいると

子供の最悪の悲運を食い止めることができなくなってしまう

つまり子供の死だ

 

実際主人公のメンターは

最愛の娘を病気で亡くしている

その時が前妻との不和を長引かせていたため

と告白している

この時の悲劇を止められなかった後悔と

人には同じ目に遭って欲しくないという

彼の決意が、主人公を助ける動機になったとか

 

現在は夫が会社勤め

または起業を専念。

妻は家事、育児を完全に

分担しているという状況は

変わってきているとは思う。

共働き、共に家事、育児を

兼業しているところも多いはず。

(またはお手伝いを半日だけでも雇うとか)

この本の家庭内の事情とは

そのまま当てはまらないかもしれない

 

しかし、家庭内の問題が

仕事場で起こるものと連動している

という指摘は本当に価値あるものだ

それを乗り越える知恵も

誰にでも共有できる。

 

生涯に渡って有用な良書と言えるだろう。