inumeshi20’s diary

楽しみ第一の自己啓発読者

ガムこそ東洋哲学

  • 疑り深い人、不安な人へ
  • 論より証拠。悩み粉砕

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( 河出文庫 史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち 飲茶 著 河出書房新社)

 東洋哲学とは

 一見問題解決とは無縁の動作が人の悩みを砕く。そのことが良く分かる例として、アスリートとガムの関係を取り上げた

 

 

ガム噛むかい?

 

 

日本より海外のプロ野球選手たちの方がしているであろう、口をモゴモゴさせている仕草。あれは紙たばこと呼ばれるシロモノらしい。

 

昔より確実に減ったとは思うが、試合中では喫煙できないため(実はカメラが見えない所で隠れてやっているかもしれないが)愛煙家はあれで気を紛らわせているのだろう。

 

一見格好良いとは言えないあの行動にはとても大事な意味があって、

 

選手達は極限までリラックスできるのだ。

 

ほとんどの選手達は子供の頃からハードな練習を積んで、強敵のライバル達としのぎを削ってきた。

 

だから、野球のことはお手の物のはずだが、

 

あれだけの観客、視聴者、聴衆者が注目しているなら、緊張して普段は何気なくしていることもままならないくなる恐れは常にある。

 

ところが、口をずっと動かしていると、ムダな呼吸や不安が消え、ベストなパフォーマンスが出しやすくなる。

 

(そうとは知らずに、選手達を蔑んだ視線を送っていたことが恥ずかしい・・・)

 

事態は切羽詰まっている

 

フィールドの中、ベンチの中、選手、監督、コーチ、あらゆる関係者が一分一秒神経を張り詰めている中で、

 

しかし、その状態では緊張と苛立ちを産んでしまう。

 

緊張すると、選手達は疲れを早めてしまう。

 

だからと言って、集中しながらも、余計な力を抜くのは大変難しい。

 

東洋哲学はそれを、ガムを噛むという行為で解決を試みる。

 

バッター、ピッチャー、共に時間はなく、

 

今この場で力を出し尽くして結果を出さなくてはならない。

 

説教や理論で落ち着かせようとしても、ほとんど意味がない(頭の中を素通りさせるだけだろう)

 

そこで、ガムの登場である。

 

何の意味があるのかと思いきや、効果はこの上なく出てくる。

 

試合中は噛んではいけないというルールはないので、これはありがたい。選手達の命を助ける行為と言える。

 

しかも、この方法は金も時間もかけないで済む

 

人も選ばないし、別にメカニズムの理解などできなくてもいい

  

東洋哲学は感じること

 

この本は哲学で良く出てくる専門用語や難しい理論はできるだけ避けられている。

 

誰にでも分かる説明、理解度抜群の例えが、やや長く紙面を取ってしまっているためページ数は多いが、

 

核心を突く箇所(例えば終わりの十牛図の所)だけでも充分、楽しさを味わえる。

 

一ページ一ページとても含みがあるため、見所はとても数え切れない。

 

さきほどガムのことを書いたが、まさに読者にガムを噛ませるような説明で、

 

それでいて、いつの間にか悟りの境地を触れさせる。

 

物事を理解させるためではない。

 

感じさせるため。

 

何故だろうはムダ

 

ただ感じさせる。

 

知識や手順を踏ませた説明は無意味。

 

学がある者、ない者(世間でそう決めつけられているという意味での)も関係なく

 

これが悟ると言うこと

 

報酬はない

 

悟ったらどんな良いことがある?

 

何もない!

 

ただそれだけ

 

学がつく、お金を手に入れられる、人に認めてもらえる。

 

そんなものはない!

 

ただ感じるだけ。

 

それは最強の感覚なのだ。

 

しかし、知るのと知らないのでは、とてつもない差がある。

 

学校の授業では絶対に教えてもらえなかった、この感覚。

 

飲茶先生のこの本なら、端金とある程度の時間で体験できる。(一度読めば終わりということはなく、何度も見ることになるだろう。しかし、それは面倒なことではない)

 

私達には息抜き、娯楽、休息ももちろん大切だが、

 

この悟りの効用は決して消えることのない感覚。