本でこのノリは・・・
・感謝だけでいい!
(感謝で思考は実現する パム・グラウト 著者 桜田直美 訳 サンマーク出版)
”感謝”すれば、ありとあらゆる夢が叶う!
この本は真面目にそう言っている。
最初だけかと思いきや、最後までこの調子が続いていく・・・
少しは真剣に物事を説明したり、解説したりした方が良いんじゃないか?(一応してくれてはいるが、なんだか面倒くさそう・・・)
全部で3章に分かれているが、どの章も関連は薄そうで、それも適当に名付けられているような気がしてならない。
・この本もそうなのか?
この手の本には良くあることだが、自分に対するこれまでの不愉快なこと、いわれのない不当な扱いにも感謝して見せろと言う。
今のところ私がこの本に付き合っているのは、それを作者が読者に説教をしたり、強引に教唆したりするのではなく、リラックスしてゲームをしろと言っているからだ。
本心から納得したり、受け入れたりしなくて良いと意味だと思う。(私はそう解釈している)
3章のパーティーゲームと称された遊びは20個ほど紹介され、実際にあった話も添付されている。
・具体例もいいかげん?
繰り返し言うが、この本は科学的根拠が薄く、あってもそれぞれに因果関係を作ってはいない(本人そうが言い切っている)
一つ例に挙げると、
・パーティーゲーム12 シャーロック・ホームズになれ
ある二つの文章を読み比べて、気分が良くなるのはどちらか、という質問をしている。
それが二題ほど出てくる。
一つは犯罪に関する文章(AとB。Aは短めで犯人に対して言い方がきつい。Bは犯人に対するこれまでの過去や現在の状況を説明している箇所があり、味方も多分に同情的である)
二つ目は難民に関する文章(同じく)
Bを意図的に気分が良くなる文章にしてあるが、作者は気分がそうなる文章を選んで読んでいけと言う。
ただ、あの世界的に有名な架空人物シャーロック・ホームズと何の関係があるのかは分からないが・・・
そして、実際に起こった人の例は、過去にひどい事故で満身創痍になってしまい、普通に歩いたり活動したりできないと、診断された人が健康体を取り戻したというもの。(ここでは感謝して克服したり文章を読んだりでなく、何かを決意したという側面があるが)
それぞれの文章にそれほど整合性があるとは思えないが、この本はある種の強引さが特徴なので、まぁそれもいいかと思わせてくれる。
どの遊びも読者に難しい要求はしておらず、本当に軽いノリでやってみろと促している。
本という物をただ真面目に捉えていると、この手の物には肩すかしというか意表を突かれてしまう。(頭が固い人達は怒ってしまうかもしれない)
だからこの本も何かを学んでいきましょうと言うよりは、気分が良くなるために読んで、気が向いたら試してみてという具合だ。
・とにかく、感謝して自分の人生を楽しめ!
パム・グラウトが本で主張しまくっているのは(この部分だけは真面目に)固く考えすぎていては事態はややこしくなるだけということだ。
ラクにして、楽しんでいれば、いわゆる奇跡などというものは簡単に、しょっちゅう起こるようになる。これは本人も保証している。
間違いや失敗に囚われすぎると、かえって脳がそれらを再現しようとしてしまうので、できる限り良いこと、起こって欲しいことだけを考えろと。
この本とは別に書かれていたが、作者自身、ひどい過去や出来事に見舞われた時期があり、心底落ち込んでいたらしい。
しかし、この本と、これまでの著作でこの感謝の連続で幸運の連続の毎日に恵まれたとか。
ビジネス書、自己啓発書のカテゴリーでそれらの堅苦しさを笑い飛ばす姿勢で、この本は出来上がっている。
確かに真剣にならなくてはいけない、楽しんでいたら変われないと決めつけるのはおかしいと私も思っていた。
狭い見方に囚われず、心から何かを楽しんで、疲れも感じず、夢中になっていた方が信じられない結果を出していたということが良くあるはず。